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【書類選考】企業の採用担当者が"思わず会いたくなる"職務経歴書の書き方(後編)

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前編に引き続き、職務経歴書の書き方について紹介します。前編をまだ読んでいない方は、前編もどうぞ。

書類選考の攻略!キャリア採用担当者が思わず会いたくなる職務経歴書の書き方(前編) - キャリアクエスト

後編では、職務経歴書の書き方についてより実践的なポイントとコツを解説します。

 

目次

 

前編の復習

前編の復習です。

職務経歴書には「ひな形」や「書式」は存在せず、職務経歴書=ビジネス文書」が唯一のルールでした。

職務経歴書に何を書くかは基本的に応募者の自由であり、どのように書くかのかも応募者に委ねられています。

職務経歴書は他のビジネス文書を書く時と同じように項目ごと見出しを付け、職務経歴を軸に自己PRを織り交ぜながら、冗長な内容にならないように簡潔にまとめることで印象はグッと良くなります。

 

これが基本!簡潔にまとめる

職務経歴書は、A4サイズで1~2枚程度で作成します。

つまり、簡潔にまとめることが基本です。何故、簡潔にまとめる必要があるのかと言うと、職務経歴書を読む企業側のこと、つまりそれを読む人がどんな人で、その置かれている状況を頭に思い浮かべてみるとよく理解できます。

読む人とは、もちろん応募先の企業の人事(キャリア採用担当など)や求人を出している配属予定部署の責任者(課長や部長など)のことです。人事は除き配属予定部署の課長や部長の本業はもちろん別にあり、採用活動が本業ではありません。その多忙で限られた時間のなかで採用業務(書類選考や面接)をこなさなければならない状況があります。

ダラダラとまとまりのない職務経歴書よりも、簡潔で明瞭な職務経歴書は早く読めるし、メッセージ性も高まり、印象は良くなります。

何を伝えたいか、何をアピールしたいか、一つ一つの文章が意図するアピールポイントを強く意識し、無駄なく簡潔にまとめることがポイントです。

慣れない人は箇条書きで問題ありません。何度も読み直さないと、アピールポイントが伝わってこない職務経歴書が悪い例です。

 

全てを書き尽くす必要もない

職務経歴書では、これまでの経験や実績の全てを詳細に記述する必要はありません。

詳細は次の面接で必ず聞かれます。従って、職務経歴書に全てを記載しなくても構いません。反対に、少し足りないくらいに抑えて面接で突っ込んで欲しいポイントを散りばめると効果的です。

職務経歴書はこれまでのキャリアのハイライトであって「気になることは面接で確認してね」という姿勢で直近のキャリアを中心に書くことがポイントです。あくまでも次のステップである「面接」に呼んでもらうことだけに集中します。

また、書きたい内容が多すぎて困った時は、絞り込む勇気も必要です。絞り込むことで全体がスッキリし、その職務経歴書を読んだ人が「あなた」という人物を具体的にイメージしやすくなる効果があります。

 

相手のニーズを押さえておく

相手のニーズを知らなければ、読んだ人の心に響く職務経歴書を書くことはできません。

企業側が「どのような経験を持った人が欲しいのか」と得られる求人情報や企業研究した結果から仮説を立て、そのニーズを満たすように書いていきます。もちろんウソは書くべきではありませんが、表現の方法を工夫することは構いません。

この職務経歴書を読んだ人が、読み終えた時に自分自身に対してどのような印象を持つのだろうか、どこに期待してくれるだろうか、相手のニーズを満たしているだろうかと第三者的な視点で書くことがコツです。

どれほど魅力的で採用されるに十分な経験・実績・能力・スキルがあったとしても、応募先の企業のニーズを無視した独りよがりの職務経歴書であれば「書類選考不合格」となっても不思議ではありません。 

 

ブレない軸で一貫性を示す

転職において骨太なキャリアの軸を示すことは大切です。

職務経歴書では、アピールポイントを意識し、一貫性を示す形でブレがないように書くことがポイントです。一貫性を示すことでアピールしたい部分がより一層強まり、読んだ人に「是非、会ってみたい」と思わせることができます。

これまでのキャリアを見返し、転職回数が多かったり、業界・業種・職種に一貫性がない場合は書き方に注意が必要です。

散らばっていたとしても必ず何か共通する部分があると思います。その部分を軸として、ブレがないことを示し、着実にキャリアと経験を積み重ねていることを証明します。

 

経験や実績を整理して具体的に書く

これまでの職務経験や実績は事前に整理しておく必要があります。

職務経歴書では時系列に並べ、古い順から書くことが基本ですが、新しい順から書くこともあります。

転職では、古い経験や実績よりも直近の新しい経験や実績が評価を受けます。人間というのは忘れる生き物であって、企業側の立場からしても古い経験や実績ばかりをアピールされても、今もその当時と同じことができるかどうかの判断が難しいです。それよりも、直近の新しい経験や実績であれば、その記憶も新しく、企業側も「自社でも同じように成果を出してくれそうだ」と信頼を置くことができます。

実績などは覚えている限り具体的な数字で表現します。その数字が詳細であればあるほど、リアル感が出て、読む人の心に伝わるだけでなく、主体的に仕事へ取り組んでた姿勢まで伝わります

 

可読性を追求する

ここからは小手先のテクニックになります。職務経歴書ではビジネス文書としての完成度も求められます。

ビジネス文書としての「可読性(読み易さ)」を高めることは、簡単にでき、すぐに実践できます。

これまで読んだ文書のなかで読み辛いと感じた文書はどのようなものでしたか?

  • 文字の大きさが極端に小さい
  • 誤字や脱字が多い
  • 適度な余白がなく圧迫感を感じた
このように可読性を無視した読みづらい文書は、内容が幾ら良くても良い評価を受けません。それどころか酷い場合、読む人は途中で集中力を欠き、最後まで読まないでしょう。可読性を高めるためには、「余白」、「文字」、「見出し」がポイントとなります。

1. 「余白」

「余白」は、職務経歴書のレイアウト、すなわち文字領域とのバランスを決めます。

僕の場合、上・下:23 mm右・左:25 mmで指定しました。見た目のバランスが取れて読み易くなります。ワードの標準機能から余白設定するならば「やや狭い」を選択します。

 

2. 「文字」

可読性を高めるために文字で大切なことは「大きさ」「フォント」「行間」です。

「大きさ」については、まず「見える」、「読める」文字の大きさであることが条件です。職務経歴書はビジネス文書ですから、文字の大きさは10ポイント(または、10.5ポイント)で指定します。見出しには、12ポイントと少しサイズを上げて区別し、タイトルには14ポイント(または、12ポイント)を使うと見やすくなると思います。 

「フォント」は個性的でなければ特に問題にはなりませんが、標準的なゴシック体を使用するといいと思います。英数字は、Times New Romanを指定します。

大きさやフォントを一度決めたならば、文書全体を統一させることが必要です。ワードには便利な機能が搭載されていて、「スタイル」という機能を使えば書式を一括登録できます。興味がある人はgoogleなどで調べてみてください。  

「行間」は文字と文字の空間を決めます。僕の場合、行間を1.0としました。行間は好みもありますが、1.01.15指定すると丁度いいバランスが取れると思います。

 

3. 「見出し」 

「見出し」は各項目のタイトルです。職務経歴書の構成は自由ですが、僕の場合、項目は「要約」、「職務経歴」、「スキル・経験」、「専門知識」、「自己PR」としました。

見出しがあることで、それぞれ各項目が何について書かれたものであるか、読み手が一目見るだけで理解できるようになります。

 

他にもおさえておきたいポイント!

他にも職務経歴書を書くうえでおさえておきたいポイントがあるので、一気に紹介します。

タイトルは見やすい位置に

タイトルが書かれていないビジネス文書を見たことがありません。A4縦の上部中央付近に「職務経歴書」と本文よりも大きな文字で書きます

 

日付と名前を忘れず

タイトルの下、右側に寄せて日付と名前を忘れずに書きます。職歴など業務の経験は日々移り変わり、時間経過とともに更新されていくものです。この職務経歴書の内容が何年何月何日現在の情報であるかは読み手にとっては重要な情報です。

職務経歴書を企業へ提出する日を日付に書きます。職務経歴書を更新した時は、この日付も忘れずに書き換えます。

 

箇条書き

簡潔にまとめることが苦手な人は箇条書きで文章を書くと有効です。

箇条書きで示すことで内容が簡潔にまとまり、読む人に対するメッセージが強まります。

 

短文化

一つ一つの文章は長文で書くよりかは短文で書くべきです。

読む人が文章を早く読めるようになる効果があります。無駄な修飾語は極力使わず、言葉尻をはっきりと言い切る表現を使うと効果は高まります。

 

志望動機を織り込む

職務経歴書には応募する企業の志望動機も記載します。

特に、第二新卒のように社会人経験が浅い若手の場合、十分なキャリアや経験がないと職務経歴書に書く内容に困ることがあります。

そういう場合は志望動機を中心に職務経歴書を書き、これまでの経験よりもこれからどうしていきたいかという視点で書くと良いと思います。

  

職務経歴書をもっと良くするための考え方

三者に読んでもらう

初めて職務経歴書を作成した時は、友人、知人または家族のなかで少なくとも誰か一人に読んでもらいます。もしも、相応しい人が身近にいなければ転職エージェントのコンサルタントに依頼します。

読みづらい箇所はないか、分かりづらい表現はないか、読み終えた時の印象などが自分自身が伝えたいことと乖離してないかを確認します。この時、アドバイスがあれば素直に受け取り、今後のブラッシュアップにつなげます。

 

ブラッシュアップさせていく

ブラッシュアップとは磨き上げるという意味です。職務経歴書は、転職活動を通じて常に更新していきます。

職務経歴書を作成した日から期間を空けてみると、作成した時点では気づきもしなかったことに気付くことはよくあります。作成したからと満足するのではなく、職務経歴書には常にメスを入れ続け、常に磨き上げていきます。

 

応募する企業ごと微調整する

職務経歴書は一度作成すれば転職活動を通じて使いまわす人がほとんどだと思います。

同じ職種であっても企業によるニーズの微妙な違いを理解し、企業研究の結果を職務経歴書の内容に反映させることができれば、それは通過率を高めます。

使いまわせる職務経歴書は万能型で、どのような職種にも通用することが利点ですが、専門性が高い職種にはそれが欠点になるかもしれません。

 

まとめ

いかがでしたか。
 
職務経歴書の書き方について、前編と後編に分けてポイントを解説してきました。職務経歴書を書くうえでの参考にしてください。